「平成30年産果樹生産出荷統計」(農林水産省)より、国産ももの出荷量に関係する数字を見ていきます。
平成30年産の国内もも出荷量は
104,400トン
(「平成30年産果樹生産出荷統計」(農林水産省)による)
ももの出荷量を玉数に換算すると
3億8,700万(玉)
ももの重さは個体によっていろいろですが、概ね250~300g程度のようです。
仮に平均を270gと置くと、3億8,700万(玉)となります。
1人当たりの国産ももの出荷量は
約3個/年※
日本の現人口は1億2,700万人程度なので、1人当たり約3玉の国産ももが生産されていることになります。
※これは生食用、加工用を含む玉数です。
東京ドーム1個分の土地から出荷されるももの数
約18万8千玉※
上記ももの収穫に使われた面積(結果樹面積)は9,680haでした。
1玉270gで換算すると、東京ドーム(4.7ha)1個分で50.7トン分、約18万8千玉のももを生産できることになります。
また、上記の1人当たり3玉で計算すると、東京ドーム1個分の土地=6万人分のもも となります。
※産地により面積当たりの収穫量は異なります。
ももの主産地は
山梨県が37,600トンと全国出荷量の35%程度を占めます。
次いで福島県22,500トン、長野県12,100トンとなっており、この3県で全国の7割程度となります。
もも出荷の北限、南限は
ももは沖縄県以外のすべての都道府県で出荷実績があります。平成26年の全国調査※において出荷量の少ないほうから見ると、福井県2トン、東京都8トン、千葉県24トンとなります。
※「果樹生産出荷統計」は6年に1度全国調査を行い、その他の年は主産地の都道府県のみが調査対象となり、その他の県の生産は推計で行われます。そのため、実際の都道府県別生産状況は6年に1回の全国調査で確認することが妥当です。
産地別の面積当たり収量が最も高い都道府県は
産地別に10アール(0.1ha)当たりの収量を見ると、出荷量2位の福島県が1,510kgで最も多く、次いで山形県1,320kgを挟み、3位の長野県1,280kg、1位の山梨県1,250kgとなります。主産地ほど出荷効率が高いことがわかります。
主なももの品種
ももは作付品種の多い果物で、「特産果樹生産動態等調査(平成29年産、農林水産省)」によると、生食用96品種、加工用2品種、ネクタリン12品種の作付が確認できます。
生食用で最も作付面積の大きい品種
生食用で最も作付け面積が大きかったのは以下の4品種です。
「あかつき」(1,603ha)
「あかつき」は福島県(813.3ha)が全国作付面積の約半分を占め、次いで長野県(267.7ha)、山梨県(180.8ha)、山形県(116.2ha)となります。この4県で100ha以上の作付がありました。
「白鳳」(1,302ha)
「白鳳」は山梨県(592.4ha)が全国の4割以上を占め、和歌山県(291.5ha)、岡山県(121.0ha)でも多くなっています。
「川中島白桃」(1,190ha)
「川中島白桃」は福島県(234.3ha)が最も多いですが、長野県(221.7ha)、山梨県(214.3ha)、山形県(212.6ha)も作付面積でみるとほぼ同規模であり、4県の合計で全国の8割を超えます。
その他、北は青森県、南は大分県までの広い範囲で作付されています。
「日川白鳳」(820.5ha)
「日川白鳳」は山梨県(429.7ha)が全国の半分以上を占めます。和歌山県(109.3ha)、福島県(76.3ha)、香川県(53.4ha)でも作付面積が大きくなっています。
上記4品種に次ぐ5位「なつっこ」の作付面積は366.0haでした。
加工用ももの主な品種は
加工用品種は「もちづき」「大久保」の2種類があり、東北地方で栽培されています。「もちづき」は山形県(27.0ha)、「大久保」は岩手県(49.5ha)、福島県(4.5ha)となっていますが、生食用に比べると作付面積は小さくなっています。
ネクタリンの主な品種は
ネクタリン各品種は東北、関東で主に栽培されています。加工用品種同様作付面積はあまり大きくなく、最も広い「秀峰」が25.2haとなっています。