文部科学省「社会教育調査」より、日本の博物館の数についてまとめています。
ここでの「博物館」とは、いわゆる総合博物館や歴史博物館だけでなく、美術館、植物園、動物園、水族館などを含んだ数です。
この調査でいう「博物館」とは何か
この調査での「博物館」とは、以下3つの施設を含んでいます。
1 博物館
博物館法第2条に規定する施設。官民の法人により設置されたもので、博物館として登録されている施設です。
2 博物館相当施設
博物館法第 29 条に規定する施設。1の博物館に相当する施設として、文部科学大臣または都道府県教育委員会によって指定された施設です。
3 博物館類似施設
上1、2以外の施設で、以下の条件を満たす施設が調査対象になっています。
博物館と同種の事業を行う施設のうち,次の施設。
平成30年度社会教育調査の手引[博物館調査用] より
① 動物園及び植物園については,おおよそ 1,320 ㎡以上の土地があ
る施設。
② 水族館については,展示用水槽が4個以上で,かつ水槽面積の合
計が 360 ㎡以上である施設。
③ ①及び②以外の施設については,建物がおおよそ 132 ㎡以上の延
面積を有する施設。なお,「野外博物館」については土地がおお
よそ 132 ㎡以上の延面積を有する施設」と読み替えることとする。
※以下の数値は、すべて調査時点である2018年10月1日現在のものです。
日本の「博物館」の数は
5,744館
上の定義を満たす日本の博物館数は全国に5,744あります。そのうち大半の4,457施設が「博物館類似施設」であり、「登録博物館」は914、「博物館相当施設」は373施設です。
種類別にみると、「歴史博物館」が3,331施設で全体の58%を占めます。次いで多いのが美術館等の「美術博物館」1,069施設(18.6%)、「総合博物館」473施設(8.2%)となっています。
「動物園」「植物園」「動植物園」「水族館」の合計は全国に302箇所(「博物館」全体の5.4%)となっており、7割強の220箇所が「博物館類似施設」です。
「博物館」設置者は市区町村が68.3%
設置者別にみると、市区町村立の博物館が3,922箇所(68.3%)と約3分の2を占めています。
下記「その他」には、日本赤十字社、放送協会、宗教法人、個人等が含まれますが、この区分も738箇所と12.8%を占めています。
※以下の数値は、平成29年度(2017年4月~2018年3月)のものです。
平成29年度の博物館入館者数はのべ3億188万人、うち特別展入館者が32.2%
平成29年度中の博物館入館者ののべ数は3億188万人となっています。最も多い種類は「歴史博物館」8,846万人(29.3%)、次いで「美術博物館」5,891万人(19.5%)です。
一方、動物園、植物園、動植物園、水族館を合わせると9,028万人となり、「博物館」全体の29.9%を占めます。
入館者のうち特別展(企画展、共催を含む)の割合は「美術博物館」が48.8%(2,874万人)が最も多く、次いで「水族館」38.3%(1,223万人)となっています。特に美術館では、入館者の約半数が特別展の入館者であることがわかります。