ここでは、市町村税のうち都市計画税について見ていきたいと思います。固定資産税や住民税、およびたばこ税については別の記事をご覧ください。
全国の都市計画税の総額は
1兆2,914億円
都市計画税が市町村税全体に占める割合
5.8%
平成30年度の市町村税総額(22兆4,235億円)の5.8%となります。
市町村たばこ税(8,502億円)と都市計画税を合わせると、市町村税のほぼ1割になります。
ここからは、総務省「平成30年度市町村別決算状況調」より、全国の1,718市町村※が条例により課税している都市計画税の概要について調べてみます。
※東京都特別区(23区)では都税として徴収されるため、ここに含めていません。
都市計画税徴収実績のある市町村の数は
675(551市123町1村)
全国1,718市町村の約4割が市町村内のいずれかの地域で都市計画税を徴収しています。
全国の市の約7割(792市中551)、町の2割弱(743町中123)が都市計画税を徴収しています。183村のうち、茨城県東海村のみ都市計画税収入があります。
都市計画税の地方税全体に占める割合が最も高い市町村
静岡県伊東市(10.3%)
次いで割合が高いのは、神奈川県鎌倉市、大阪府忠岡町、静岡県熱海市(9.4%)、長野県軽井沢町(9.2%)、大阪府箕面市、兵庫県伊丹市、神奈川県茅ケ崎市、埼玉県川口市(9.1%)などです。
上位市町村の多くは観光地や別荘地として有名です。過密を防ぎ、都市景観を守るために都市計画税を導入する一方、それが重要な財源となっていることがわかります。
住民1人当たりの都市計画税が最も多い市町村
長野県軽井沢町(41,639円)
次いで多いのは以下の市町です。
静岡県熱海市 (25,004円)
大阪府大阪市 (21,262円)
愛知県名古屋市(20,115円)
群馬県草津町 (19,438円)
神奈川県鎌倉市(19,293円)
京都府久御山町(19,118円)
市町村税は条例によって徴収されるため、徴収有無や税率などはすべて市町村が自由に設定します。
その結果として、別荘地、観光地、大都市、歴史都市など幅広い場所で活用されていることが見て取れます。
都市計画税収入が法人市町村税より多い市町村の数
165(137市27町1村)
法人市町村税は偏在性が大きいこともあり、都市計画税徴収市町村の約4分の1では、法人税よりも都市計画税による収入が多くなっています。
都市計画税と市町村法人税の比率が最も大きい市町村
神奈川県葉山町(4.41倍)
葉山町では都市計画税5億1,071万円に対し法人税1億1,579万円と、4倍以上の開きがあります。
次いで割合が高いのは、奈良県三郷町(3.37倍)、兵庫県宝塚市(2.94倍)、東京都狛江市(2.73倍)、兵庫県芦屋市(2.56倍)、東京都小金井市(2.56倍)などとなっています。
高級住宅地やベッドタウンなど、住宅地の比率が高い市町村では都市計画税の比重が相対的に重くなります。