農林水産省「作物統計」令和元年産市町村別データより、市町村別の耕地面積に関する情報をまとめています。
ここでいう「耕地面積」とは、いわゆる田んぼ、畑だけでなく、果樹園等の樹園地、牧草地を含みます。
田畑総面積や、果樹園・牧草地などの畑の種類についてはこちらをご覧ください。
https://yokayamu.com/plot_fields/※以下の数値は2019年4月1日現在のものです。
市町村面積に占める耕地面積割合の平均
15.3%
市町村ごとに見ると、平均15.3%が耕地(田、畑、樹園地、牧草地)であることがわかります。
なお、中央値は11.16%です。日本の1,741市町村の少なくとも半数は、市町村域の1割以上が田畑であることになります。
市町村域の半分以上が耕地である市町村数
39(8市24町7村)
都道府県別の内訳は、北海道8、青森・茨城5、栃木・福岡3、富山・鹿児島・沖縄2、その他1となっています。
山地などの耕地に向かない土地が少ない市町村では、耕地面積が市町村域の半分以上を占めることも珍しくないようです。
市町村域に占める耕地面積の割合が最も高い市町村は
青森県板柳町(72.1%;41.88㎢中30.2㎢)
その他耕地面積の割合の高い市町村は以下のようになります。
北海道妹背牛町(70.5%;48.64㎢中34.3㎢)
北海道南幌町(68.7%;81.36㎢中55.9㎢)
青森県藤崎町(67.9%;37.29㎢中25.3㎢)
秋田県大潟村(67.6%;170.11㎢中115.0㎢)
福島県湯川村(67.2%:16.37㎢中11.0㎢)
特に北海道・東北の平野部の市町村で耕地面積の割合が大きくなっていることが分かります。
以下では耕地面積のみ扱うためha(ヘクタール)表記とします。
1㎢=100haです。
市町村域の耕地面積が最も狭い市町村は
千葉県浦安市(0ha)
全国市町村では、浦安市のみ市内に耕地面積が全く存在しません。
田・畑を含めた耕地面積の小さいその他の市町村は、
北海道泊村(0ha※)
北海道上砂川町、埼玉県蕨市(1ha)
奈良県上北山村、北海道神恵内村(2ha)
兵庫県芦屋市(3ha)
宮城県女川町、埼玉県戸田市(4ha)などとなっています。
※元データの仕様上、四捨五入されて0haとなる(0.5ha未満の広さの)耕地があることを示します。これは完全に0であることを示す「-(横引き線)」と区別されています。
旧炭鉱(神砂川村)や海沿いで平地の少ない村(泊村・神恵内村・女川町)、山間部(上北山村)、ベッドタウン(蕨市、戸田市、芦屋市)などでは耕地面積の割合が小さくなる傾向があるようです。
田がなく、畑のみ存在する市町村の数
115(全国1,718市町村の6.7%)
全国市町村の6.7%は市町村内に畑(樹園地・牧草地を含む)だけが存在します。
内訳を都道府県別に多いほうから見ると、北海道58、沖縄県23、東京都16、群馬県4、埼玉県3、(千葉県、神奈川県、奈良県、鹿児島県)2、宮城県、福島県、新潟県、山梨県1となります。
北海道は田の面積が都道府県単位で全国1位ですが、179市町村のうち道北、道東、十勝エリアのほとんどの市町村は田を持たず、畑のみとなります。一方、北海道で最も田の面積が広いのは岩見沢市(16,400ha;市域48,100haの約3分の1)です。
沖縄県では本島の26市町村のうち、那覇市を含む16市町村で田がありません。また、離島市町村15のうち7つは田を持っていません。一方、沖縄県で最も田の面積が大きい市町村は石垣市(318ha)で、県全体(820ha)の田の4割程度を占めます。
東京都では、9つの離島市町村のうち八丈町のみ田があります。また、武蔵野市、国分寺市、小金井市などを含む8市で田が全くありません。
田の面積が最も広い市町村
新潟県新潟市(28,300ha)
次いで多いのは以下の市町村です。
秋田県大仙市(18,200ha)
岩手県奥州市(17,100ha)
新潟県長岡市(16,800ha)
北海道岩見沢市(16,400ha)
宮城県大崎市(16,100ha)
新潟県上越市(15,800ha)
宮城県登米市(15,700ha)
北海道、東北、新潟以外では岡山県岡山市(11,800ha;全国市町村15位)や佐賀県佐賀市(10,000ha;全国市町村21位)が最も広くなります。