公共データ

日本の年間火災発生件数と内訳

消防庁「令和元年(1~12月)における火災の概要(概数)」をもとに、日本の火災発生件数とその内訳をまとめています。

年間の火災発生件数は

37,538件

うち建物の火災は

20,915件

建物以外の火災は以下のようになっています。
「その他火災※」12,124件
「車両火災」3,660件
「林野火災」1,363件
「船舶火災」69件
「航空機火災」1件

※「その他火災」には、空き地や河川敷、道路、公園などで発生した火災が含まれます。

うち死者が発生した火災件数の割合は

1,314件

判明している出火原因のうち最も多いものは

「たばこ」3,557件(全火災の9.5%)

「不明・調査中」4,629件(12.3%)を除くすべての原因のうちたばこが最も多い出火原因となっています。

次いで多いのは以下の原因です。
「たき火」2,911件(7.8%)
「こんろ」2,890件(7.7%)
「放火」2,719件(7.2%)
「放火の疑い」1,787件(4.8%)
「火入れ※」1,745件(4.6%)
「電気機器」1,606件(4.3%)

※「火入れ」とは、害虫駆除や採草地の改善などのために草地を燃やすことです。(参考)森林火災対策協会「火入れ作業の手引き」

「放火」「放火の疑い」を合計すると12%となり、「たばこ」を超えて出火原因の1位になります。

建物火災の出火原因で最も多いのは

「こんろ」2,836件(建物火災の13.6%)

次いで多いのは以下の原因です。
「たばこ」2,042件(同9.8%)
「放火」1,260件(6.0%)
「電気機器」1,249件(6.0%)
「配線器具」1,164件(5.6%)
「ストーブ」1,098件(5.2%)
「電灯電話等の配線」1,055件(5.0%)

建物火災は「こんろ」「たばこ」を原因とするものが約4分の1ですが、配線系の火災も多いことがわかります。

建物火災で出火原因が「不明・調査中」の火災は2,803件(13.4%)です。

車両火災の出火原因で最も多いのは

「排気管」660件(車両火災の16.8%)

排気管からの火災は、マフラーの中の可燃物に高熱により火が付くことによって発生するようです。

次いで多いのは以下の原因です。
「交通機関内配線」322件(同9.0%)
「電気機器」235件(6.6%)
「放火」174件(4.9%)
「たばこ」167件(4.7%)

車両火災では552件(15.4%)が「不明・調査中」となっています。

林野火災の出火原因で最も多いのは

「たき火」434件(31.1%)

次いで多いのは以下の原因です。
「火入れ」261件(18.7%)
「たばこ」76件(5.4%)
「放火の疑い」73件(5.2%)
「放火」34件(2.3%)

林野火災は「たき火」「火入れ」を原因とするものが約半数です。

火災による死者数は

1,477人

建物火災による死者数の全体に占める割合は

80.6%(1,191人

死者数のうち放火自殺に関係するものの割合は

283人(死者数の19.2%)

火災による死者の5人に1人は放火自殺に関係しています。ここには放火自殺の巻き添えや放火殺人による犠牲者8人を含みます。

死者数のうち65歳以上の割合は

957人

放火自殺を除く死者の死亡理由では「逃げ遅れ」が560人と最も多く、全死者数に対して4割近くとなります。

65歳以上の層は逃げ遅れる確率が高くなり、結果として死者に占める割合が高くなっていることがうかがえます。

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