公共データ

日本の年間意匠出願件数と内訳

特許庁「特許行政年次報告書〈統計・資料編〉」2020年版より、年間意匠出願件数、登録件数などの数を見ていきます。

※以下の数値は、特に断りのない限り2019年1月~12月の値となります。
※国際出願を含まない日本国内で通用する意匠のみを扱います。

日本の年間意匠出願件数は

31,489件

近年特に増えている商標出願と異なり、意匠の出願件数は過去10年3万件前後で安定しています。2010年の意匠出願件数は31,756件でした。

うち外国からの出願件数は

8,622件(27.4%)

約4分の1が外国からの出願になっています。

日本の年間意匠登録件数は

27,556件

上記出願件数に対して、登録件数はその9割程度となっています。こちらも過去10年ほぼ同水準となっています。

出願から「ファーストアクション」までの平均期間は

6.0か月

意匠の場合は出願から約6か月で1次回答が来ることになります。これは特許と商標の9.5か月と比べてやや短いです。

意匠出願区分で最も多いものは

「H7_電子情報入出力機器」3,053件(9.7%)

意匠出願の際は86の区分から1つを選んで行うことになります。最も多いのは「電子情報入出力機器」でした。

「電子情報入出力機器」とは、マウス、キーボード等をはじめ、スマホやタブレット端末、電話機、テレビ、スピーカーやイヤホン等を含みます。

1つの出願が複数の区分にまたがる商標と異なり、意匠における区分は出願ごとに1つです。

次いで多いのは以下の区分です。
「F4_包装紙、包装用容器等」2,746件(8.7%)
「G2_車両」2,025件(6.4%)
「J7_医療用機械器具」1,598件(5.1%)
「H1_基本的電子素子」1,297件(4.1%)
「C4_家庭用保健衛生用品」967件(3.1%)
「D7_家具」801件(2.5%)
「C6_飲食用具及び調理用器具」782件(2.5%)
「C5_飲食用容器又は調理用容器」738件(2.3%)
「B3_身の回り品」734件(2.3%)

年間意匠登録件数が最も多い会社は

三菱電機株式会社(490件

次いで意匠登録件数が多いのは以下の会社です。
パナソニックIPマネジメント株式会社(432件)
株式会社オカムラ(318件)
本田技研工業株式会社(186件)
シャープ株式会社(164件)
グーグル エルエルシー(159件)
株式会社LIXIL(147件)
富士フイルム株式会社(141件)
株式会社エフピコ(140件)
ダイキン工業株式会社(136件)

意匠登録は大手メーカーが多くなります。三菱電機、パナソニック、オカムラの3社が2015年以来常にトップ3です。

また、グーグルの登録件数が2017年20件、2018年の52件と比べて急増しています。

意匠出願の多い都道府県は

東京都(8,916件;39.0%)

次いで多い大阪府(4,088件;17.9%)と合わせ、全出願件数の5割強が東京・大阪からなされています。

次いで多いのは以下の都道府県です。
愛知県(1,475件;6.5%)
神奈川県(1,253件;5.5%)
兵庫県(787件;3.4%)
京都府(601件;2.6%)
岐阜県(504件;2.2%)
埼玉県(411件;1.8%)
福岡県(358件;1.6%)
広島県(350件;1.5%)

意匠登録は主に製造業と関連します。商標よりも地方本社の企業が多く関わることが、東京・大阪の割合が比較的小さいことと関係しているとみられます。

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