農林水産省「平成30年産野菜生産出荷統計」より、国産ばれいしょの出荷量とその内訳をみていきます。
国産ばれいしょの出荷量は
188万9,000トン
※この重量は「出荷時の容姿」で計算されています。ばれいしょの場合は皮つきの状態になります。
ばれいしょは野菜の中でも出荷重量が大きく、平成30年産ではキャベツ(131.9万トン)の約1.4倍、だいこん(108.9万トン)の約1.7倍、かんしょ(サツマイモ、79.7万トン)の約2.5倍、にんじん(51.3万トン)の3.7倍となっています。
秋植えばれいしょの割合は
1.8%(34,700トン)
温暖な地域では初冬に収穫する秋植えばれいしょが栽培されています。一方、全体の出荷量に対する割合はまだあまり高くないようです。
ばれいしょ出荷量に占める北海道の割合は
82.4% (155.7万トン)
ばれいしょは北海道が8割以上を占めます。
北海道外では鹿児島県(88,000トン;4.7%)、長崎県(80,400トン;4.4%)などで多くなります。鹿児島、長崎ともに秋植えの割合が高くなります。
「ベジ探」が提供する東京・大阪中央卸売市場の月別入荷実績では、3~7月に鹿児島産、長崎産が多くなり、それ以外の月では北海道産が大半を占めていることがわかります。
北海道内のばれいしょ産地は
ばれいしょは道内各地で広く栽培されていますが、最も出荷量の多い市町村は知床半島の斜里町(114,000トン)、次いで帯広市(109,000トン)、芽室町(97,000トン)、網走市(91,400トン)などが多くなっています。
北海道の179市町村のうち156市町村でばれいしょを出荷しています。
上記のように主産地は道東に多いですが、それ以外の地域では美瑛町(22,900トン)、倶知安町(28,200トン)、京極町(19,600トン)などの町で出荷量が多くなります。
鹿児島県、長崎県内のばれいしょ産地は
鹿児島県では八代海に面する長島の長島町(25,200トン)が最も出荷量が多く、次いで沖永良部島の2市町村(知名町;8,670トン、和泊町;7,830トン)、徳之島にある天城町(7,290トン)などが続きます。
一方、長崎県では雲仙市(38,000トン)、南島原市(20,900トン)、諫早市(16,800トン)などが出荷量の多い市町村です。
鹿児島県、長崎県ともに、じゃがいもの主産地は島または半島にある市町村です。
ばれいしょ出荷量のうち加工向の割合は
68.5%(129万4,000トン)
ばれいしょの3分の2は、工業用でんぷんや片栗粉などへの加工向けに出荷されており、ふだんスーパーで見る「生食向」のじゃがいもは全出荷量の3分の1(59万5千トン)となっています。